医院開業

クリニック開業までの流れ

1. 基本構想の策定(開業12ヶ月以上前)

医科・歯科の開業は他の業種に比べると成功率が高く、勤務医をしていた頃よりも高収入が見込めることが多いです。
しかし、中には激戦区にクリニックを開業してしまったばかりに患者が思うように集客できない。または、見込める集客人数よりも大規模のクリニックを作ってしまったばかりに思うような経営ができない。といったケースもゼロではなく、クリニックをたたんで勤務医に戻る先生も少なからずいます。
そのような状態に陥らないように、開業の準備をしっかりやる必要があります。

経営理念 「経営理念」とはクリニックを開業した後、将来的にそのクリニックをどうしていきたいのかという、院長の「志」を表したものです。開業に伴う様々な判断の軸となるのできちんとイメージしておきましょう。
開業時期 内科や耳鼻咽喉科など、季節により患者様の数が変動する科目の医院は、繁忙期の少し前を選んで開業されることをおすすめします。閑散期に開業させると、開業直後の集客がままならなくなり、資金繰りが苦しくなる可能性もあります。
スタイル 開業スタイルにより、開業時に必要となる資金が大きく異なります。医院開業には「医療モール」「ビルテナント」「借地開業」「一戸建て開業」「医院承継」など様々なスタイルがありますが、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、事前に決定しておくようにしましょう。
場所 開業場所の選定は、開業後の経営を左右するとても重要なものです。基本的には「駅から近い」「ライバルが少ない」などの条件を満たしているかどうか、さらには集客が見込めるかどうかを判断基準に選定します。
規模 医院の規模(有床/無床、手術の有無、スタッフ数)によっても、開業場所の選定方法は変わってきます。「開業場所の選定」と並行して「医院の規模」のイメージも固めておくようにしましょう。

 

2. 開業場所の選定(開業10ヶ月前)

まず、お客様が求める条件に見合った物件をリストアップします。
また医科であれば、「院内処方」か「院外処方」かも事前に決めておきます。
その上で診療圏調査を行い、駅からの距離、ライバルとなる他院の状況、周辺地域の年齢層や今後の人口推移なども考慮して開業場所を絞り込んでいきます。

 

3. 税理士の決定(開業10ヶ月前)

開業場所が決定したら、必要投資額を見積もり、銀行などの金融機関に融資を申し込む必要があります。
その際、金融機関から「事業計画書」の提出が求められます。
この「事業計画書」の作成にあたっては税理士の専門知識が必要となりますので、この時点でご自身のお考えに合った税理士を見つけておくようにしましょう。
 

4. 事業計画書の作成(開業9ヶ月前)

開業場所、物件が決定したら、必要投資額を見積もります。
必要投資の内訳は大きく分けて、「土地代」「建物代」「医療機器・什器代」「開業時の運転資金」などです。
これらの金額はどういったスタイルで開業するかによっても異なりますので、開業後のビジョンをしっかりとイメージした上で見積もり、「事業計画書」を作成するようにしてください。
 

5. 金融機関への融資申し込み・融資実行(開業9ヶ月前)

事業計画書の作成が完了したら、必要となる資金の調達先を検討します。
ご自身の預貯金や親族からの支援を資金として活用する方法もありますが、医院開業資金は高額となることが多いため、自己資金などで充足できるケースはあまりありません。そのため、多くは公的・民間金融機関から融資を受けることとなります。
 

6. 建物の設計・内装の決定(開業9ヶ月前)

建物の設計・内装を決定する時には、先生のこのようなクリニックにしたいというコンセプトに合うような建物・設備・駐車場の広さなどを決定していきます。
同時に「ご来院頂く患者様が快適に治療を受けられるか?」という点にも着目するようにしましょう。
 

7. 医療機器の選定(開業5ヶ月前)

資金計画のうち、投資可能な金額を確定し、医療機器や院内設備を選定していきます。
設備はあるに越したことはないかもしれませんが、今一度本当に必要かどうか考えましょう。クリニックのコンセプト、想定する患者様の層にマッチしているか?稼働率や採算面など、コスト・ベネフィットは十分か?などを考慮しましょう。
 

8. 薬品・診療材料の仕入れ先の決定(開業3ヶ月前)

薬品や診療材料の仕入れ先を決定します。
 

9. スタッフの募集・採用(開業3ヶ月前)

事業計画書を作成した際に決定していた、必要となる職種、人数、勤務形態(パートまたは常勤)を基に、スタッフの募集・採用を行います。
募集方法としては、「ハローワーク」「縁故関係」「求人誌」「折込チラシ」などがあります。
開業1ヶ月前ごろからスタッフ研修を行うためにも、2~3ヶ月前には募集・採用を行うようにしてください。
 

10. 印刷物の準備(開業2ヶ月前)

「診察券」「カルテ」「ゴム印」「名刺」「封筒」などの印刷物を準備します。
 

11. 開設届の提出(開業2ヶ月前)

診療所開設届や各種医療機関指定申請など、開設に必要な届出を提出します。
またX線装置を導入する際には、X線装置備付届が必要となりますので、併せて提出するようにしましょう。
 

12. 広告の選定・実行(開業2ヶ月前)

「看板」「ホームページ」「駅」「バス」「電柱」「診療表示板」「開院案内」などから、自院にとって最も宣伝効果の高い媒体を選定し、広告を出します。
 

13. 工事引き渡し(開業2ヶ月前)

建築業者から引き渡しを受けます。
 

14. 保健所の調査(開業2ヶ月前)

保健所の調査を受けます。
 

15. 内覧会の実施(開業1ヶ月前)

通常は開業前の土日などに内覧会を実施し、近隣の医療機関、自治体、周辺地域にお住まいの方々などへご挨拶すると共に、クリニックを内覧していただきます。
 

16. 開院

診察のシミュレーション、最終確認を行った上で開院します。
 

17. 各種届出の提出(開院後)

開院後すぐに、保健所、医師会、社会保険事務所、税務署、労働基準監督署などに必要な各種届出を提出します。
 

当事務所のサポート内容

経営理念の策定 将来的に医院をどうしていきたいのかという、院長の「志」をお伺いした上で、それをいかに「経営理念」としてまとめるかアドバイスさせて頂きます。
不動産業の紹介 開業場所の選定にあたり、ご要望があれば不動産業者のご紹介をいたします。
開業場所の選定 お客様の開業スタイルに合わせて、診療圏調査、駅からの距離、ライバルとなる他院の状況、周辺地域の年齢層や今後の人工推移などを考慮した上で開業場所を絞り込み、最も集客が見込める場所・物件をご提案させて頂きます。
事業計画書の作成 金融機関との融資交渉だけでなく、開業後の経営管理にも役立つ事業計画書を作成致します。
金融機関への融資申し込み・融資実行 最もお客様に有利な条件を提示してくれる機関をご紹介致します。
・融資を受けるためには?
・お金はどこから借りれるの?
※日本政策金融公庫、県の制度融資、市の制度融資、民間金融機関からの融資など
建物の設計・内装業者の紹介、選定 お客様のご希望、イメージをお伺いした上で、医療建築に精通した建築会社、設計し、内装業者などをご紹介させて頂きます。
医療機器業者の紹介、選定 医療機器業者をご紹介する共に、購入するべきか、リースするべきかなどのアドバイスをさせて頂きます。
薬品・診療材料の仕入れ先の紹介、選定 院内処方の場合であれば、薬品・診療材料の仕入れ先をご紹介致します。院外処方であれば、調剤薬局をご紹介致します。
スタッフの募集・面接・採用 お客様のご希望やお考えをお伺いした上で、必要となる人材をアドバイスさせて頂くと共に、求人募集広告を掲載する媒体をアドバイスさせて頂きます。またスタッフの面接の際に同席するなどのサポートも行っております。
広告の選定・実行、業者の紹介 将来的に医院をどうしていきたいのかという、院長の「志」をお伺いした上で、それをいかに「経営理念」としてまとめるかアドバイスさせて頂きます。
開業前の諸手続き 開業に際して必要な各種書類を作成・提出をお手伝いさせていただきます。
※保健所への申請、税務署への届出など